12月に入ると、街のあちこちでクリスマスソングが流れ始める。50歳になった今も、その音色を聞くと心のどこかがざわめく。幼い頃の記憶が蘇り、子育て時代の慌ただしさが思い出され、そして今年はどんなクリスマスを過ごそうかと考える。半世紀を生きてきて分かったことがある。クリスマスは、年齢を重ねるごとに違う顔を見せてくれる特別な日なのだ。 子ども時代〜魔法を信じた12月 小学生の頃、12月に入ると毎日がクリスマスまでのカウントダウンだった。サンタクロースは本当にいると信じて疑わず、枕元に靴下を置いて眠る前のワクワク感は、今思い出しても胸が高鳴る。 当時の我が家はそれほど裕福ではなかった。それでも毎年、ク...